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高速C-[11C]メチル化法
 
理研のPET化学研究グループでは、汎用性の高い[11C]ヨウ化メチルを用いて、化学結合的に安定な炭素−炭素結合法による11C-標識化法の開発を行っています。例えば、[11C]ヨウ化メチルと有機スズ化合物あるいは有機ホウ素化合物を原料として、独自のPd触媒系の使用下に、60–90 ℃の比較的温和な条件下で、わずか5分間で、目的とする[11C]メチル化体を高収率(崩壊補正放射化学収率:最高91%)で得ることができます。図1に示したように、当グループでは、これまでに四型式の高速C-[11C]メチル化法を開発してきました。本標識法の実現は、原理的にはほとんど全ての有機化合物への11C核種の導入が可能であることを示しています。
実際に、本高速C-[11C]メチル化法により合成された11C-標識体のヒトPET臨床研究は、当研究センターの渡辺恭良センター長の統括下に、共同研究先の大阪市立大学医学部附属病院やウプサラ大学附属病院(スウェーデン)等で実施されています。